○「受講資格」について
宅建登録講習は、「宅地建物取引業に従事する者」だけが受講することができる講習です(宅建業法第17条の7、施行規則第10条の5第1号)。
そこで、宅建登録講習の申込みの際には、この「宅地建物取引業に従事する者」に該当することの証明として「従業者証明書」のコピーの提出をして頂いています。
宅建業者は、従業者に、「その従業者であることを証する証明書(=従業者証明書)」を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならないことになっています(宅建業法48条1項)。
そして、従業者証明書を発行した者については、すべて「従業者名簿」に記載するとともに、従業者証明書を携帯していない者が業務に従事することのないよう、すべての者が携帯することとなっています。
この「従業者証明書を携帯させるべき者」(=「宅地建物取引業に従事する者」)の範囲は、以下の通りです。
(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」第48条第1項関係、第31条の3第1項関係、規則第15条の5の3関係)。
- (1)宅地建物取引業のみを営む者(専業業者)の場合
原則として、代表者(いわゆる社長)、役員(非常勤の役員も含む)、すべての従業員等(営業に従事する者、宅建業の一般管理部門に所属する者(総務、人事、経理担当者等))が含まれます。受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も対象となります。 ただし、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者はこれに該当しません。 - (2)他の業種を兼業している者(兼業業者)の場合
代表者(いわゆる社長)、宅地建物取引業を担当する役員(主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く)、宅地建物取引業の業務に従事する者が含まれます。また、宅地建物取引業を主として営む者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も該当します。
※代表者(いわゆる社長)、非常勤の役員も含みます。
※「単に一時的に事務の補助をする者」も含みます。この「単に一時的に業務に従事する者」に携帯させる証明書の有効期間については、他の者と異なり、業務に従事する期間に限って発行します。
※「監査役」は、業務に従事することはできない(会社法335条2項)ため、この「宅地建物取引業に従事する者」には含まれませんので、ご注意ください。
そして、宅建登録講習を修了するためには、『登録講習の受講申込時より登録講習修了までの間、継続して「宅地建物取引業に従事する者」』である必要があります(=登録講習の受講期間中は常に満たしていることが必要)。
したがって、次のような場合にはその要件に適合せず、登録講習を修了することができませんのでご注意ください。
●登録講習を修了することができない場合の例
- 1.登録講習の受講申込時において宅地建物取引業に従事していたが、その後、登録講習修了までの間に勤務していた宅地建物取引業者を退職して宅地建物取引業に従事しなくなった場合
- 2.登録講習の受講申込時に勤務していた宅地建物取引業者を退職し、その後、登録講習修了までの間に宅地建物取引業者に再就職したが退職後再就職までの間に宅地建物取引業に従事していない期間がある場合
- 3.登録講習の受講申込時より登録講習修了までの間宅地建物取引業者の社員であったが、その間に(配転等により)宅地建物取引業に従事していない期間がある場合
下記の(例1)はその基準を満たしていますので修了することができますが、(例2)以下は、基準を満たしていませんので修了することができません。